さて、今日はまだ早い時間帯だが夜からTRPGの予定があるため、早めに書いておこうと思う。
今回はTRPG中に体験した最高の終わりと最悪の終わりのふたつについて書いていくつもりだ。
前提としてこの体験は「クトゥルフ神話TRPG」のいわゆる6版ルール、「新クトゥルフ神話TRPG」とは微妙にルール的な差異があるが、まぁおおむねどっちも同じもの。
そのシステムで遊んでいる時の体験談として聞いてもらえればと思う。
まず最高の終わりを迎えられた時の体験談から。
前提としてその時のセッションは自分含め、KPも他PLも皆が野良。
要は他人同士でのセッションであった。互いの距離感や勝手知らぬ卓でのそれなりに長い大型シナリオへの挑戦で集まったメンツだ。
遊んだシナリオの詳細は省くが、結論から言うと「D100クラス」の神話存在と対峙することとなった。これはわからない人へ説明すると、人間ではまず勝ちようのないラスボスクラスの存在と対峙することになったということ。クトゥルフをよく遊んでいるTRPGプレイヤーであれば、そういった存在と対峙することの恐ろしさは身に染みていると思う。
「D100クラス」の神話存在とエンカウントすることとなった、とこれだけ聞くと「あー・・・全滅して空気が最悪になったのかな・・・」と思うかもしれないが、自分含めた卓のメンツたちは全員納得して、その存在とエンカウントすることを選択したのだ。PL全員はもちろん、KPすら含めて。
正直言って、KPの方が非常に優れていたとは思う。野良の方とは思えない程に。
ただ、それと同じくらいにPLのメンツも恵まれていた。正直、自分のようなただ、誰かに乗っかるようなRPしかできない人間が居てもいいのか?と場違いに感じてしまうくらいには。
運もかなり絡んだには絡んだのが、最終的にそのセッションでは全員が重軽傷を負いながらも、日常へ帰還するという最高の終わり方を迎えることができた。「D100クラス」の化け物と対峙したにもかかわらず、だ。
控えめに言って最高のセッションであったと思う。
この体験を得られた一番の理由としては「卓の人間全員が団結して選択した事」が一番大きかったと思う。
PL全員が最終局面へ向かうにあたり、KPから提案がまずあった。
「確実にクリアして生き残れる方法とロストするかもしれないが誰も見たことのない結末にたどり着けるかもしれない方法」
「皆さんはどうしたいですか?」と。
この提案には賛否両論あるかもしれないが、自分としてはこの提案のおかげで思いもよらぬ結末に辿り着くことが叶ったため、KPには感謝をしている。
重ねて言うが「全員で決めた事」には本当に大きな意味があったと今では思う。当時はずっと興奮していてわからなかったが。
とにかく、これがまず自分がTRPG中に体験した「最高の終わり」についてとなる。
・・・で問題の「最悪の終わり」についてだが・・・
これはまぁ・・・なにもかも真逆だったという他ない最悪のセッションであった。
途中までの空気感がそれなりによかっただけに、本当に最悪の思い出だ。
まず、結論からだが・・・このセッションでも「D100クラス」の神話存在と遭遇するはめになった。先の体験と違うのは・・・まぁ色々とあるが一番の違いは「責任の放棄」をされたことだ。
そのシナリオは・・・これも詳細は省くが、クライマックスに犯人当てゲームをすることになったのだ。いわゆる「人狼ゲーム」の一種。
この時点で何かズレてはいた。少なくとも自分は「クトゥルフ神話TRPG」だと思ってゲームに、セッションに参加していたのだから。
まぁそれでも乗りかかった船である以上、必死に楽しもうと物語に没入するために慣れないRPで周りと絡んでいた。
その時のメンツも皆、野良であったが途中までは楽しくセッションが進行できていたとも思う。
ただ・・・クライマックス。いわゆる最後の大一番「犯人当て」をする時に事件は起きた。
KPから突然、特定の一人に犯人当ての権利を押し付けられ、周りのメンツとの相談も禁じられてしまったのだ。
突然に犯人当てをさせられ、困惑している人がいる中、悩んでいる様をただただ見ている事しか許されなかった他のメンツはただ、行く末を黙って見ていることしかできなかった。
そうして嫌な予感は次第に大きく降り積もっていき、最終的には犯人を当てることができず、罰ゲームといわんばかりに「D100クラス」の神話存在が降臨し、PLのキャラクター全員がロストした。
終わった後の空気感も最悪であった。なにせKPと人狼役の人間がケラケラと楽しそうに笑っていたからだ。本当に胸糞が悪かった。
答えとしてはNPCの中から犯人らしい人物を探そうとしてずっと悩んでいたが、そもそも犯人役はPLの中に紛れていたというオチ。そもクトゥルフ神話TRPGは進行にKP、PL同士の協力が前提であるため、仲間を疑う必要はないハズなのだが・・・
野良の卓では極力、目立つようなことは避けてきた自分であったが、さすがにその時ばかりは急な用事を思いだして卓を飛び出してしまった。本来であれば楽しく感想戦が始まるハズであったというのに。
これがいままでで一番大きな「最悪の終わり」の体験だった。
こうなるに、いやこうなってしまったに至る要因はいくつもあっただろうが、一番よくなかったのは「パーティ全員の運命を一人に委ねてしまったこと」そしてそこに納得できる気持ちの整理の時間も、話し合いも許されなかったということが問題であると自分は感じる。
人狼ゲームをさせられるのはまだいい。他システムのTRPGでやれとは思うが。
ただ、失敗するリスクを考慮せず、責任を誰かに押し付けるような終わり方のセッションが最悪だったと言わざるを得ない。
誰もがシャーロック・ホームズのように頭脳明晰ですべてを疑って生きている人間ではないのだ。仮にリアルINTがどれだけ高かろうと、クトゥルフ世界のような魔術やらアーティファクトやらが当たり前にある世界観で、どこまで可能性を考慮できるか。
・・・少なくともPL全員での話し合いの機会は必要だった。間違いなく。
アレから犯人当てに失敗してしまったPLの方は他の卓でも見ていない。
自分があの立場であれば、もう二度とTRPGを遊ばなくなるだろう。
なにせ望まずとも「自分の手で他のキャラクター全員の命を奪ってしまった」という体験が残っている。後悔するなという方が難しい話だ。
シナリオそのものに罪はないと思うが、少なくともそれを回そうと至ったKPの責任は計り知れない。
自分は「クトゥルフ神話TRPG」をするために集まったのに、中身は「人狼ゲーム」だったのだ。
いやまぁ、そこの部分はまだいいのだが、「TRPG」の名を冠したゲームをしているにも関わらず、トーク、話し合いの機会が奪われるのは話が違う。
テーブルトークするロールプレイングゲーム「TRPG」
シナリオ中に大きな、重大な決断をするにあたって、その責任というものをただ一人に全て押し付けてしまうのは言語道断だ。
少なくとも責任というのであれば、その責は卓の全員で担うべきだ。
これは当然、KPも含めての話だ。ゲームを進行させている責任者はKPなのだから。
まぁゲームである以上、気負い過ぎることはないが遊ぶ相手が人間である以上、相手のメンタルには最低限、気を配るべきかとも思う。無論、必要以上に何かを抱え込み過ぎる必要もないが。
・・・長くはなってしまったがこれは昔の話。愚痴でしかない。
とにかくTRPGの世界には本当に色んな人がいるということだ。
少しでも楽しく遊べる環境が増えるように、みんなが今より少しだけ優しくなってくれることを願うばかりだ。